全国省エネ推進ネットワーク

Vol.5見れば納得省エネ事例

省エネ事例⑤
地域特性を理解している地域PFだからこその的確な支援で、
それまでの努力を活かした省エネ取組が進んだ

省エネ取組で試行錯誤を繰り返し、その度にどんな効果が出るかゲームのような感覚で楽しんで成果をあげていた事業者が、地域特性を熟知したプラットフォームによる専門的なアドバイスと支援を受け、さらに効果的に省エネ推進をしている事例です。

着任早々ぶつかった壁。省エネゲームのスタート

開業から25年を迎えるA社さんは、年間売上16億円程のショッピングセンターです。
協同組合方式を採用しており、ショッピングセンター全体の経営方針や事業計画は、協同組合の理事会で決定されます。協同組合のため、各店舗のエリア光熱費は店舗側の負担となり、共用部分の光熱費は共益費として各店舗から徴収しています。
8年前から協同組合の事務局長を中心に、自分たちで試行錯誤しながら様々な省エネ対策を実施してきました。

省エネを始めたきっかけは、事務局長着任早々に直面した電力会社との契約交渉でした。当時560kWの電力契約をしていましたが、たった一日30kWのピーク電力オーバーが発生し、そのせいで基本料金を追加徴収されてしまったのです。なぜこんなに電気を使っているのか、という疑問から、事務局長の省エネ取組がスタートしました。

事務局長自ら30分毎に電力メーターを確認し、デマンドの高い店舗の実態を見ながら無駄な電力を省くことに尽力しました。
また、駐車場の外気を取り入れ空調の負荷を減らしたり、2台ある冷温水発生機のモーターの負荷が大きいことが分かったため、2台同時に動かしていたものを1台ずつ動かしたり、といった運用改善を地道に行っていきました。

消費電力量が大きくなっている原因を探すことや、それに対する取組を考えることはゲーム感覚で、苦労や我慢といった感覚ではなく楽しいものでした。

プロフェッショナルの運用改善

そのような中、地域PFから声をかけてもらい、省エネ診断を受けました。
それまで省エネ知識や経験がないながらもお金のかからない取組はすすめてきたつもりでいましたが、特にこれから検討したい設備更新については、資金調達面、技術面などで自分たちのノウハウだけでは限界を感じており、省エネのプロフェッショナルにサポートしてもらうことを決めたのでした。

支援を受けて先ず良かったことは、これまでの取組に対する検証ができたことでした。
例えば事務局長の休暇中にピーク電力が大きくなってしまった件については、誰でも同じ目線で省エネに取り組めるよう、管理マニュアルが必要とのアドバイスを受けました。
また、専門家の視点から、適切な設備性能の判断や、設定変更だけで行える省エネ等、多くの新しい気づきがありました。

外気の流入や風の吹きつけを緩和する目的で設けられている玄関部分のエアーカーテンも、ドアが交互に開く二重形式のため、止めても問題ないとアドバイスを受けました。それまでどこから空気が出ているかさえも知らず、エアーカーテンを作る装置のスイッチの場所もわかっていなかったため、目からうろこの体験だったそうです。

専門家による気候風土に合ったアドバイス

設備更新についても、開業以来大規模な設備更新はほとんど実施しておらず、延命に延命を重ねてきている状況でしたが、地域PFの電気と熱の専門家が詳細に調査を行ったおかげで、まずは設計・制御の全体像を把握することができました。

さらに、メーカーの提案には欠けていた気候や風土も考慮したアドバイスを行ってくれたおかげで、塩害や寒さの影響についても考慮した設備仕様の検討ができました。地域特性を知っている専門家のサポートはとても心強かったそうです。

今回の支援でようやく事業所のエネルギー関連の設計の全貌が見えてきたので、今後は大規模な設備更新に向けて、適正な機械を導入して事業所全体の再設計を行おうと考えているとのこと。

設備投資の際には補助金の活用も視野に入れており、ますます専門家の支援が必要になるので、引き続き地域PFからの継続的な支援を受けたいそうです。

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