全国省エネ推進ネットワーク

Vol.3省エネの達人に聞きました

中小企業の省エネ取り組みを進めるにあたっては、さまざまバリアがあると言われてきました。中でも「そもそも、誰にどんな相談をすればよいかがわからない」という課題を解決するために、省エネルギー相談地域プラットフォーム(地域PF)が全国で活動しています。実際に地域PFとして活動している省エネ支援アドバイザー・高田敏春氏に効果的な省エネ支援の方法についてお話をききました。

高田 敏春 氏
達人のご紹介 高田 敏春 氏
<プロフィール>
一般社団法人エネルギーマネジメント協会 アドバイザー。
公益財団法人北九州産業学術推進機構 インキュベーション・マネジャーとして、
北九州市の中小企業を幅広く支援。

一般社団法人エネルギーマネジメント
協会のPF事業の取組み
―省エネ支援のための6つのポイント―

当PFの支援体制は、私が相談窓口となり、各種資格をもった15名の専門家で構成しています。昨年度は13社に対して130回の専門家派遣を行いました。これらの経験から省エネ支援を進める上で配慮したい重要なポイントは6つあると考えています。

元から築かれていた福岡県・北九州市との連携体制

これらを説明する前に、私と当協会の経歴を少し紹介しておきます。それが当協会の支援の特徴と深く結びついているからです。
私は北九州市の外郭団体で、中小企業を育て、支援するインキュベーション・マネージャーをしており、その関係もあり現在、当協会のアドバイザーを務めています。当協会では、平成24年度から北九州市認定の「省エネ診断員育成講座」を実施しており、また、福岡県とは省エネルギー相談事業で連携し、講座の合格者が省エネ診断を担当しています。

専門家の選定は資格よりもコミュニケーションを優先して

6つのポイントとは、①専門家の選定、②支援企業の発掘、③定期的な訪問、④情報の発信、⑤ネットワークの構築、⑥主導権をもった体制構築、です。

まず専門家の選定です。これには資格の有無、専門性よりもコミュニケーションを優先しています。情報交換する時に人間関係の構築ができないと良い情報はもらえませんし、効果的な支援にはつながりません。そうした意味から、どういう資格をおもちかよりも、相手先企業の特徴を勘案して、コミュニケーションをうまくとれそうな専門家を私が選定するという方法です。

支援先企業の発掘では、専門家が各自で支援したい企業を発掘するよう努めています。各専門家がその企業をどう応援したいかという展望をもって積極的に取り組んでもらうというのが私の方針です。もちろん、事務局に相談があった企業や省エネ診断先企業を支援対象にすることもあります。

三番目は定期的な訪問の実施です。対象企業のニーズを探しだすことや課題発掘が欠かせません。専門家の皆さんにはこうした努力をしてもらえるように働きかけています。

四番目の情報発信では、週に最低1回は専門家・自治体・拠点関係者によるメール配信を行って、関係者との共通認識を保てるよう配慮しています。多い週には5、6回配信することもあります。

各種ネットワークの構築も重要です。福岡県と北九州市とは先にお話ししたように業務の連携がとれています。また、金融機関・士業との関係では、私がインキュベーション・マネージャーとして中小企業の支援に携わっていた一環で、情報交換や協力できる体制が培われています。

事務局がリーダーシップを発揮できる体制構築を

最後に強調したいのが、事務局が主導権をもって専門家に指示できる体制を構築することです。専門家の皆さんだけのペースでは思うようにいかないことも多々起きてきます。議事録などを拝見しながら、内容的にもう少しこうした形にとか、こういう相談であれば他の専門家にも同行してもらった方が良いとか、私が専門家を指名する形で進めています。
同時に、専門家以上に事務局が努力しないといけない、というのが私の考えです。企業訪問に同行できるときは、専門家とは違う視点から対象企業の意見を聞くなど、臨機応変に対応することを心掛けています。

省エネ支援を進める上で、皆さんも上記6項目をチェックしながら展開していくことをお勧めします。

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